【事例003】ベトナム人のCADオペレーター再申請 – 埼玉県 製造業

ご相談の背景

埼玉県の製造業を営む企業から、「留学生をCADオペレーターとして採用し、本人が申請をしたが不許可となってしまった。優秀な人材なので、再申請をしたい。」と、在留資格変更許可申請(再申請)のご依頼をいただきました。

お困りごとの内容

外国人本人に自分で申請させたところ思いがけず不許可になってしまった。

再申請をするつもりだが、何をどう対応したら良いのかわからないとのご相談。

当事務所の対応

申請人に同行する形で入管にて不許可理由の確認をしたところ、「①説明不足と②説明方法のミス」が原因であることがわかり、過去の経験上再申請をすれば許可の見込みがあると判断し、対応させていただきました。

本件の主な不許可原因と対応は次のとおりです。

「①説明不足」の詳細
CADオペレーターという要件的には何ら問題のない職種であるものの、自分で申請をした際には、その内容についてほとんど説明がなされておらず、また、「企業側の雇用環境からみて、十分な業務量が確保されているかについて疑義ある=安定的・継続的にその活動を行うとは認められない」とのことでした。

①についての当事務所の対応
同社でCADオペレーターとして働いている従業員数と、それぞれの業務スケジュールや業務量を詳細に説明し、慢性的に人員が不足していることの説明に加え、その解消のために求人も出していることの疎明資料として求人票を提出しました。

「②説明方法のミス」の詳細
社内にいるベトナム人技能実習生の通訳を任せたいとのことでしたが、本人の最終学歴の専攻内容との関連性がなく、それは認められないとのことでした。

「〇〇語が堪能だから〇〇人の通訳として採用できる」というよくある勘違いで、在留資格の要件を理解せずに申請をしてしまった結果です。

外国人を在留資格「技術・人文知識・国際業務」の通訳として雇用するには、本人の学歴または実務要件を満たす必要があり、ただ単に「話せる」から在留資格を取得できるわけではありません。

②についての当事務所の対応
今回のケースでは、「CADオペレーターとしての業務がメイン」であったのですが、企業側の考えとして、ベトナム人なのであるから、「一時的・補助的に」通訳もやってもらえると助かる、といったニュアンスで本人に伝えていたところ、申請書類の内容から、CADオペレーションと同じくらいの割合で通訳も行うものと入管に判断されてしまったものです。

当事務所では企業側の意向を正確に入管に伝えるため、ヒアリングに基づき、当初の説明は誤解であったことと、通訳に関する活動は、本来の業務であるCADオペレーターとしての就業環境に影響が出ない程度にとどめることについて説明書を作成させていただき、業務内容の説明とあわせて提出をしました。

結果

審査期間7日。許可。

行政書士コメント

良かれと思って自身で作成した申請理由書が不許可の原因となってしまったケースでした。

入管の審査は書面審査が原則ですので、その内容には十分に気を付ける必要があります。

何気なく記載した一文が審査の結果を左右することもありますので、ご不安な場合には行政書士にご相談ください。