【事例006】「日本人の配偶者等」から「定住者」への変更事例 – 東京都

ご相談の背景

東京都内にお住まいのベトナム国籍の方からホームページを通じてのご相談。

「日本人の夫と離婚をしたが、このまま日本で生活を続けるにはどうしたら良いか」とのお問い合わせをいただきました。

お困りごとの内容

留学生時代に知り合った日本人の夫と結婚したが、約3年で離婚をすることになってしまった。

学校卒業後にすぐ結婚し家庭に入ったのでパート以外の職歴もないが、今後も日本で生活を続けていきたい。

離婚をしたら現在の在留資格で在留を続けることはできないと聞いているが、日本に住み続けるにはどのようにしたら良いか。

当事務所の対応

経歴を確認したところ、就職先が見つかれば「技術・人文知識・国際業務」への変更も可能でしたが、

「日本人の配偶者等」の在留資格の方が、その配偶者と離婚した場合には「定住者(就労制限がない)」の在留資格に変更することができる可能性があるため、ご相談者様のご希望を伺いつつ、まずはその背景について、許可要件と照らし合わせながら丁寧にヒアリングを進めていきました。

「離婚定住」の許可要件

① 日本において、概ね3年以上正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたと認められること。

② 生計を営むに足りる資産または技能を有すること。

③ 日常生活に不自由しない程度の日本語能力を有しており、通常の社会生活を営むことが困難でないこと。

④ 公的義務を履行していること、または、その履行が見込まれること。

今回のケースでは③、④については問題ありませんでしたが、

①と②について入念な説明が必要であると考えため、①については夫婦として生活をしていた約3年間の出来事や離婚に至った原因と経緯について、また、②については過去3年間の収入の状況と、仮に今後もしばらくの間パートとして勤務を続ける場合の毎月の収支予定内訳について確認したうえで申請書類を作成し、疎明資料と合わせて入管に提出をしました。

結果

審査期間約1か月。許可。

行政書士コメント

「定住者」という在留資格は「告示定住」「告示外定住」とに分けられ、前者は例えば日系人など日本にルーツのある方などが取得することができる在留資格の類型(このケースに該当する人は定住者に該当します、とあらかじめ決められている)であり、

「告示外定住」は、告示はされていない(決まりは定められていない)が、日本に住み続けるための特別な事情があり、それを法務大臣の裁量で認めてもらえる外国人が取得できる可能性のある定住者の類型です。

本ケースの「離婚定住」は告示外定住に該当しますので、入管の審査要領(上記許可要件)に沿って、ご相談者様がそれぞれの要件に該当することについて訴えていきました。

このようなケースの際に提出する疎明資料は、申請の内容に信ぴょう性があることを「審査官に信用してもらえるレベル」で提出すべきであり、本ケースでも、収入や日本語能力を明らかにする資料のほか、婚姻生活や離婚の状況に関しては、ご相談者様の日々の記録であったり、夫婦関係を知る第三者の方に嘆願書をご用意いただき申請し、東京入管では極めて短い、1か月という審査期間で許可に至りました。